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事業内容

鋼構造物塗装工事(重防食塗装)

橋梁・工場プラント・タンクをはじめとする大型構造物(鋼構造物)は厳しい環境に哂され、維持補修には極めて高度な塗装技術(重防食塗装)が要求されます。弊社は創業以来重防食塗装技術の研鑽を重ね、これら鋼構造物の長寿命化に貢献しております。

塗替え塗装仕様

 塗替え塗装は、旧塗膜の塗装系、塗替え時の劣化程度、および塗替え後の塗膜に期待する耐久年数によって塗装仕様を選定する必要があります。
  鋼橋は、塗膜の暴露される環境が塗替え後も変わらないので従来の塗替え塗装では、旧塗装と同じ性能を有する塗装系を一般的に選定していた。しかし、鋼橋塗装のLCC、環境対策、景観上の配慮などの観点からはより耐久性の優れた塗装系にするほうが有利かつ合理的と考えられるため、塗替え塗装仕様は従来よりも耐久性に優れる重防食塗装系を基本とします。

 

<1.塗替え塗装仕様>

塗替え塗装系は、表-1~7によるとよい。また、旧塗膜と塗替え塗装系の組み合わせは表-8によるとよい。

  1. 塗膜の寿命をより長くするためには、ブラスト工法による素地調整程度1種で旧塗膜を完全に除去したうえで塗装系を変更する。ただし、ブラスト工法は研掃材や塗膜のケレンダストの飛散が伴うので飛散防止ネットなどによる養生を完全に行う必要がある。このため、旧塗膜を確実に除去する方法として従来の塩化メチレン系ではなく作業者にやさしく環境対策の必要のない高級アルコール系の塗膜はく離剤などが開発されている。これらの採用にあたっては、塗膜はく離性能などを事前に確認したうえで適用するとよい。
  2. 素地調整程度1種を行って全面の塗膜を除去した場合は、下塗りから上塗りまでスプレー塗装を行う。その際も塗料の飛散によって周辺を汚染しないように十分に飛散防止処置を行う。低飛散型スプレーや静電スプレーなどは、飛散防止効果や塗装性能などを確認したうえで適用するとよい。また、ケレンダストおよびスプレーミストの飛散対策として、飛散防護シートもその効果を確認したうえで十分な養生と換気に注意して適用するとよい。
  3. 工事上の制約によって素地調整程度1種ができない場合には、素地調整程度3種による塗替えを行ってもよい。ただし、この場合は素地調整程度1種の塗替えに比べて塗膜の耐久性は大幅に劣る。
  4. 素地調整程度2種は、効率が悪く大面積の施工には不向きであるので素地調整程度2種による塗替え塗装は行わないのがよい。ただし、ジンクリッチプライマーやジンクリッチペイントが下塗りに使用された旧塗膜で、これらの塗膜の劣化がないことが確認できたときは、素地調整程度2種でジンクリッチプライマーやジンクリッチペイントを残し、他の旧塗膜を全面除去して、塗替え塗装系Rc-Ⅱを適用してもよい。
      しかしながら、旧塗膜がB、b塗装系からc塗装系へと塗替えられた塗膜である場合には、旧塗膜にさびがほとんどなくても、割れ、はがれ、膨れ等の欠陥が見受けられることがあるので、この場合は素地調整程度1種を行うのがよい。
  5. 旧塗膜がCおよびc塗装系の塗替えは、素地調整程度4種で主として美観を改善するために行う。旧塗膜の発せい(錆)が見られない場合でも、付着性を確保するために下塗りを全面に1回塗布するのがよい。
  6. 旧塗膜がA、a、B、b塗装系で、その塗膜寿命の延長を図る場合には、素地調整程度1種で有機ジンクリッチペイントを塗布する。はがれ、素地からのさびが著しい金属溶射皮膜の補修塗装も同様に行う。
      ただし、現在施工されている旧塗膜のA、a塗装系が、十分な塗膜寿命を有しており、適切な塗膜の維持管理体制がある場合や橋の残存寿命が20年程度の場合には、素地調整程度3種を行い、鉛・クロムフリーさび止めペイントに替えた塗装仕様(Ra-Ⅲ)を適用してもよい。
      このとき、素地調整や塗装は極力機械化して良好な塗膜を形成することが重要である。
  7. 箱げたや鋼製橋脚内面などの閉鎖した空間での塗替え塗装では、塗装作業中の安全確保の観点から強制換気を必ず行い、無溶剤形変性エポキシ樹脂塗料を適用するのがよい。(Rd-Ⅲ)
  8. 赤さびが発生した溶融亜鉛めっき鋼材の防食方法を塗装に変更する場合は、Rc-Ⅰ塗装系を適用するとよい。部分的な補修塗装の場合には、素地調整程度1種で鋼材素地を露出させ、亜鉛めっき用エポキシ樹脂塗料下塗を用いたRzc-Ⅰ塗装系を適用するとよい。
  9. 金属溶射皮膜がはがれたり、赤さびが発生した金属溶射した鋼材の補修を塗装で行う場合は、Rc-Ⅰ塗装系を適用するとよい。

 

■ 表-1 Rc-Ⅰ塗装系(スプレー)

Rc-Ⅰ塗装系(スプレー)

 

■ 表-2 Rc-Ⅲ塗装系(はけ、ローラー)

Rc-Ⅲ塗装系(はけ、ローラー)

 

■ 表-3 Rc-Ⅳ塗装系(はけ、ローラー)

Rc-Ⅳ塗装系(はけ、ローラー)

 

■ 表-4 Ra-Ⅲ塗装系(はけ、ローラー)

Ra-Ⅲ塗装系(はけ、ローラー)

 

■ 表-5 Ra-Ⅱ塗装系(はけ、ローラー)

Ra-Ⅱ塗装系(はけ、ローラー)

   *1:素地調整程度2種であるが、健全なジンクプライマーやジンクリッチペイントを残し、他の
     旧塗膜は全面除去する。
   *2:素地調整後に残存する塗膜がジンクプライマー以外の場合は、有機ジンクリッチペイント
     を弱溶剤形変性エポキシ樹脂塗料下塗(200g/㎡)に変更する。

 

■ 表-6 Rd-Ⅲ塗装系(はけ、ローラー)

Rd-Ⅲ塗装系(はけ、ローラー)

   *1:素地調整程度1種であるがブラストグレードは、ISOSa1とする。

 

■ 表-7 Rzc-Ⅰ塗装系(スプレー)

Rzc-Ⅰ塗装系(スプレー)

 

■ 表-8 旧塗膜と塗替え塗装系の組み合わせ

旧塗膜と塗替え塗装系の組み合わせ

 

<2.素地調整>

素地調整は、塗替え塗装仕様によって表-9から適正な素地調整方法を選択して行う。

  1. 素地調整程度1種は、ブラスト法によるもので素地調整の効果は最も優れています。ただし、周辺を汚すことのないように養生等を十分に行う必要があります。
  2. 素地調整程度2種は、動力工具で塗膜およびさびを全面除去して鋼材面を露出させるものでありますが、さびが多少残存したり、作業に要する時間が長く費用も高くなるので実用的でない。
  3. 素地調整程度3種および4種は、いずれも動力工具と手工具を用いて行うものであるが、作業効率のよい動力工具が多用され、手工具は動力工具の適用が難しい個所に用いられます。
      動力工具や手工具では、くぼみ部分、狭あい部、ボルト、リベット部等の除せい(錆)や塗膜除去を完全に行うことはできません。またジンクリッチ塗膜を完全に除去することも難しい。
  4. 素地調整程度3種および4種を行う場合は、腐食、発さびしている部分のさびを除去するとともに、旧塗膜の活膜上の付着物等も除去する必要があります。100番程度のサンドペーパーで塗膜の面あらしすることにより、新旧塗膜間の付着性不良を防止します。
  5. 一般に旧塗膜上には50mg/㎡以上の塩分が付着していると塗装後早期に塗膜欠陥を生じやすい。このような場合には、水洗等により塩分が50mg/㎡以下になるまで除去することが望ましい。このとき、スチームを用いると塩分を効果的に除去できます。ただし、水洗時には環境汚染対策などの注意が必要です。
  6. 素地調整によって生じた旧塗膜のケレンダストは、有害物を含んでいることが多いので、周辺の土壌や河川を汚さないように十分留意するとともに、その廃棄は適切に行う。

■ 表-9 素地調整程度と作業内容

素地調整程度と作業内容

   (鋼道路橋塗装・防食便覧より)

主な工法のご紹介(当社は下記工法の技術者・技能者の資格を保有しております。)

ブラスト工法(素地調整1種)

ブラストとは、研掃材を空気圧・水圧あるいは遠心力の力で鋼材表面に吹き付けて、鋼材表面のミルスケール(黒皮)さび・ラストスケール・旧塗膜などを取り除く方法を言います。

<ブラスト工法の工程>

  1. 溶接部や鋼板表面に付着しているスラッグ・スパッター・フラックスなどはグラインダーなどで除去します。
  2. 表面に付着しているグリース・油脂類などの固着物質は、洗浄用ガソリンあるいは他の適当な溶剤で取り除きます。
  3. はなはだしいラストスケールは、事前に手作業さび落とし、あるいは機械によるさび落とし法で取り除きます。
  4. ブラストによりミルスケール・さび・旧塗膜・有害物などを金属表面から除去します。
  5. ブラスト処理した表面は、ブラシや圧縮空気・真空処理などにより、砂・ごみ・その他の有害物質を取り除き、清浄な面とする。
  6. もし、ブラスト処理後、表面に油脂・グリース・汚れなどが残っていた場合は、洗浄用ガソリンその他適当な溶剤で取り除きます。

インバイロワン工法(素地調整2種)

従来の塗膜除去工法には、ブラスト工法や、ディスクサンダーなどの電動工具を用いた処理工法があります。これらの工法では、塗膜ダストが発生します。 そのため飛散防止対策が不可欠です。
一方、 インバイロワン工法は、一般塗装系塗膜に浸透して軟化させます。
塗り重ねられた多層塗膜 (最大500μm) も1度で除去でき、塗膜ダストを発生させないため、 回収も確実・容易に行えます。(さびと黒皮は除去できません)

<インバイロワン工法の特徴>

  1. 環境に負荷を与えない環境対応型。
    OECD化学品テストガイドライン301修正MITI試験:BOD法生分解度試験及び301ADOC法において、分解度が28日間以内で60%以上であれば易分解性物質と判断されます。インバイロワンは94.6%と、生分解性が高いことが証明されま した。作業中や作業後にインバイロワンが飛散したとしても、環境に負荷を与えない環境対応型はく離剤です。
  2. 有害物質を含む塗膜を確実にはく離・回収できる。
    鉛・クロムなどの有害物質を含む一般塗装系塗膜は、 耐久性か低く10数年程度しかもちません。鋼橋塗装のLCCを削減するためには、耐久性に優れた重防食塗装系に替えることが有効です。そのためには今まで塗り重ねられている一般塗装系塗膜をすべて除去しなてはなりません。
    「インバイロワン工法」なら、塗膜の飛散等の心配が無く、一度で多層塗膜 (最大500μm) を除去・回収できます。
  3. 作業員に対する安全性が高い。
    化学物質排出把擦管理促進法 (PRTR法) は、化学物質による環境汚染及び人体への健康被害を未然に防止するため、 事業者が積極的に環境保全に参画する事を目的とする法律です。 そのPRTR法に該当しないインバイロワンは、主成分が高級アルコールであるため、 労働安全衛生法にも該当しない人体に対して極めて安全性の高いはく離剤です。

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高塗着スプレー塗装(塗装工法)

<高塗着スプレー塗装法の特徴>

鋼橋の塗付作業にはエアレススプレー塗り、はけ塗り及びローラーブラシ塗りの3種類の方法が用いられますが、現場での塗替え塗装では、古くから塗料の飛散が少なく、周辺環境や作業環境への影響が少ない「はけ塗り」が用いられてきました。
しかし、人力による「はけ塗り」は施工能率が低く、塗装品質が塗装工の技能に左右され、厚膜に塗付するためには塗付回数を増やすことが必要となる等の問題がありました。
これに対して「エアレススプレー塗り」は、施工能率が高く、塗料を均一な厚さに塗付しやすい方法で、厚膜形塗料の塗付に適していますが、噴霧された塗料(スプレーミスト)が飛散しやすいことから、現場での鋼橋塗替え塗装で用いられた例は少なく、主に飛散防止対策が講じやすく、周辺環境への影響が少ない工場内での塗装に多く用いられてきました。
現在、現場での鋼橋塗替え塗装については、「機械化による施工能率及び塗装品質の向上」が求められており、「鋼道路橋塗装・防食便覧」(平成17年12月発行)には、鋼橋塗り替え塗装にあたって「低飛散型スプレーや静電スプレー及びスプレーミスト飛散防護シートの適用」が明記されました。
「高塗着スプレー塗装工法」は、「塗着効率が高く、塗料の飛散が極めて少ない塗装工法」で、既に国土交通省や名古屋高速道路公社等において鋼橋の塗替え塗装に採用され、平成19年6月1日にはNETIS(新技術情報提供システム:国土交通省が運用している新技術に係る情報を共有及び提供するためのデータベース)に登録されています。

<高塗着スプレー塗装法のメリット>

  1. 高い塗着効率(風速3mで塗着効率80%以上)を達成でき、塗料の使用量をはけ塗りと同程度まで抑制できます。
  2. 浮遊ミストがほとんど発生しないため、安全で衛生的な塗装環境が確保できます。
  3. 導電性飛散防護メッシュシートで周辺環境への塗装ミストの飛散・漏洩を防止することができます。
  4. スプレー塗装法によって作業効率を大幅に改善でき、500平方メートル以上/日・人の施工が可能となりました。 これは一般的なはけ塗り(100平方メートル/日・人)に比べて5倍以上の作業効率です。
  5. 塗料使用量の抑制と作業効率の向上から資源の節約と工期の短縮が可能となり、結果として工事費用の低減が可能となりました。
  6. 仕上がり外観が向上し、塗装技能による塗膜品質のばらつきが軽減されます。
  7. 速乾性塗料の塗装が容易となり、1回の工程で60μm以上の厚膜塗装も可能です。
  8. 使用する機器類はコンパクトであり、従来の塗装足場で支障なく作業できます。
  9. 塗装ユニットからの塗装ガンの移動範囲は最大100mまで可能で、現場での塗装作業が制約されることはほとんどありません。
  10. アースコントロールボックスによるアースの集中管理方式によって、現場での静電塗装作業において高い安全性が確保できます。

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